■ ADL維持加算とは?
ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)とは、「食事」「排泄」「移動」「更衣」「入浴」など、日常生活における基本的な行動を指します。
ADL維持加算は、通所介護の利用者が一定期間にわたりADLを維持・改善していることを評価し、事業所に対して加算が認められる制度です。
単なる身体機能訓練だけでなく、日常生活を通じた包括的なケアの質が問われるため、介護サービスの質向上にもつながります。
■ 算定の目的
ADL維持加算は次のような目的で設けられています。
- 利用者の自立支援を促進
- 過度な身体的介助の抑制(=介護の重度化防止)
- 科学的介護に基づくサービス提供の推進
- 介護現場のPDCAサイクルの強化
■ 算定要件と対象者
ADL維持加算の算定には、以下のような厳格な要件があります。
◆ 対象者
- 要介護者(要支援者は対象外)
- 通所介護の利用期間が6か月以上であること
- 利用者のADL情報が2回以上評価されていること
◆ 算定要件
- 開始時・6か月後のBarthel Index(バーセル指数)の比較評価
- ADLの改善・維持が見られること(原則として10点以上の減点がない)
- LIFE(科学的介護情報システム)への情報提供を継続して行っていること
■ 加算点数
2024年度改定時点での加算点数は以下のとおりです:
区分 | 単位数 | 備考 |
---|
ADL維持加算(Ⅰ) | 月30単位 | Barthel Index による評価・維持基準を満たすこと |
ADL維持加算(Ⅱ) | 月60単位 | より高い維持・改善効果が確認された場合 |
■ 具体的な算定の流れ
- 利用開始時にBarthel IndexでADL評価を実施
- 6か月後に再度Barthel Indexで評価
- 維持・改善が確認された場合、加算算定
- これらの情報をLIFEへ提出
- 加算が認められると、翌月以降に反映
■ 導入のポイントと注意点
✅ Barthel Index評価の精度がカギ
評価の際の主観を排除し、チームでの客観的評価体制の構築が必要です。
✅ LIFE活用への対応が必須
LIFEに関する知識や操作スキルを職員が習得する必要があります。
✅ 利用者の自立支援計画の見直し
日常生活動作にフォーカスした個別機能訓練計画の再設計が重要です。
■ ADL維持加算のメリット
- 自立支援型サービスの質向上
- ケアマネジャーへの良質な情報提供が可能に
- 職員のモチベーションアップ(成果の「見える化」)
■ 最後に:現場での取り組みが加算算定のカギ
ADL維持加算は、単なる書類対応ではなく、日々のケアの中でどれだけ自立支援に取り組めているかが問われます。科学的介護への対応が求められる今、ぜひ加算算定を通じてサービスの質を高めていきましょう。
乾行政書士事務所について|大阪・京都の福祉・介護の指定申請・運営指導対策
乾行政書士事務所は、大阪府・京都府を中心に、福祉・介護事業の指定申請サポートや運営支援を行っている医療・介護・福祉支援に特化した事務所です。
これから就労継続支援や放課後等デイサービス、訪問介護や通所介護などを開業予定の法人・個人様に向けて、指定取得支援を専門的に実施しています。
さらに、「運営支援」では、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、運営指導対策(書類チェック)、自治体へ提出する書類の作成、BCP作成支援等を行っています。
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- 福祉・介護事業向け指定申請サポート(法人設立、書類作成、運営指導対策 等)
- 運営支援(運営指導対策(書類チェック)、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、補助金サポート、自治体へ提出する書類の作成(例:変更届出等)、BCP作成支援)
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