
はじめに:介護事業を始めたい方へ
少子高齢化が進むなか、介護業界への参入を考える法人や個人が増えています。しかし「どのサービスから始めるべきか?」という問いに直面したとき、選択肢としてまず挙がるのが訪問介護と通所介護(デイサービス)です。
本記事では、両サービスの特徴を比較しながら、あなたに合った介護事業の選び方をわかりやすく解説します。
訪問介護と通所介護の基本的な違い
比較項目 | 訪問介護 | 通所介護(デイサービス) |
---|---|---|
利用者の移動 | 自宅に訪問 | 利用者が施設に通所 |
提供される主なサービス | 身体介護、生活援助、通院等乗降介助など | 食事・入浴・レクリエーション・機能訓練 |
スタッフ配置基準 | 管理者・サービス提供責任者・訪問介護員 | 管理者・生活相談員・看護師・介護職員等の複数職種 |
施設の有無 | 不要(事務所のみ) | 必須(基準を満たす建物が必要) |
立ち上げコスト | 比較的低い | 建物整備や送迎車両等の初期費用が大きい |
サービス提供時間 | 短時間(30分〜1時間半が中心) | 長時間(6〜8時間程度) |
ターゲット層 | 自立支援が必要な要介護者 | 日中の見守りやリハビリが必要な要介護者 |
自分に合った介護事業の選び方のポイント
1. 資金力・初期投資に応じて選ぶ
- 資金が限られている → 訪問介護
- 初期投資に余裕がある → 通所介護
通所介護は施設整備・人員配置などで1000万円以上かかるケースも。対して訪問介護は少人数・事務所開設のみでも始められます。
2. 人材の確保状況で選ぶ
- ヘルパーを中心に少人数体制 → 訪問介護
- 看護師・介護職員・機能訓練指導員などの多職種配置が可能 → 通所介護
スタッフ確保が難しい地域では、柔軟な採用ができる訪問介護が適しています。
3. 地域ニーズで選ぶ
- 地域に高齢者単身世帯が多い → 訪問介護
- 家族介護の代替としてのニーズが高い → 通所介護
地域包括支援センターや自治体の高齢者実態調査などを活用し、地域ニーズを把握しましょう。
4. 自分の経験・強みに合った形を選ぶ
- 福祉・医療資格を持ち、自身が現場に入ることも視野 → 訪問介護
- マネジメント経験があり、スタッフを育てる立場で動ける → 通所介護
運営者自身の強みを活かせるかどうかも、大きな判断材料になります。
ケーススタディ:こんな方にはこの事業
- ケース1:副業的にスモールスタートしたい方 → 訪問介護
- ケース2:地域の空き家を活用したい → 通所介護
- ケース3:医療法人・調剤薬局との連携を検討 → 通所介護(看護配置あり)
- ケース4:車の運転が得意・送迎サービスにも強み → 通所介護
まとめ:迷ったら「地域・人・資金」を見直そう
介護事業は一度始めると簡単にはやめられません。だからこそ、自分にとって「持続可能」なスタイルを見つけることが重要です。
訪問介護も通所介護も、地域の高齢者を支える大切なインフラ。あなたの事業が、その地域でどのような役割を担えるかを、じっくりと考えましょう。
当事務所では、運営指導対策や処遇改善計画書の作成、研修・委員会(法定内・法定外)等の様々なメニューを取り揃えております。
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