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個別機能訓練加算とは?【徹底解説】

大阪の乾行政書士事務所が個別機能訓練加算について徹底解説

はじめに

介護業界では「自立支援」や「生活機能の維持・向上」がますます重視されるようになっています。その中でも、通所介護(デイサービス)における【個別機能訓練加算】は、利用者のADL(日常生活動作)の維持や改善を図るうえで、非常に重要な位置づけを持っています。

この加算は、単なるリハビリや体操の提供ではなく、「個々の利用者に合った機能訓練計画を策定し、それに基づいた継続的かつ専門的な支援を提供する」ことが求められます。

今回は、個別機能訓練加算の種類・取得要件・訓練内容・運営のポイントまで、実務に即した形でわかりやすく解説します。


個別機能訓練加算とは?

個別機能訓練加算とは、利用者一人ひとりの身体機能や生活能力を把握し、目標を設定したうえで、個別の機能訓練計画に基づいた支援を提供することにより算定できる加算です。

単なる集団体操ではなく、個人のニーズと状態に応じた「個別のアプローチ」が求められます。

この加算は令和3年度の介護報酬改定によって、次の2つの区分に整理されました。


個別機能訓練加算の種類と内容

■ 個別機能訓練加算Ⅰ

身体機能(運動機能など)の維持・向上を目的にした訓練です。

  • 【対象】:主に身体的なリハビリが必要な利用者
  • 【要件】:機能訓練指導員が個別計画を立て、訓練の実施・記録・評価を行う
  • 【特徴】:比較的導入しやすく、基本的な機能訓練加算として位置づけ

■ 個別機能訓練加算Ⅱ

生活機能(買い物・調理・外出など)や社会参加を目的にした訓練です。

  • 【対象】:社会的な孤立や生活動作の低下がみられる利用者
  • 【要件】:加算Ⅰの要件に加えて、多職種連携とLIFE(科学的介護情報システム)へのデータ提出が必要
  • 【特徴】:ICF(国際生活機能分類)の視点でのアプローチが重視される

算定要件(共通)

要件内容
機能訓練指導員の配置看護師、理学療法士、作業療法士、柔道整復師などの資格者
個別機能訓練計画の作成利用者ごとにアセスメントを行い、6か月ごとに見直し
利用者への説明と同意書面による説明・同意が必要
実施と記録毎回の訓練内容や成果を記録し、モニタリングを行う
モニタリングと再評価計画の達成度を定期的に評価し、必要に応じて修正
LIFEへのデータ提出(加算Ⅱ)厚労省の科学的介護データベースに提出

実際の訓練内容の例

  • 歩行訓練(杖や歩行器の使用訓練、段差昇降)
  • 立ち上がり訓練(椅子やベッドからの起立動作)
  • 買い物訓練(金銭管理・商品選び・袋詰めの練習)
  • 調理訓練(包丁の扱い、調味料の計量など)
  • 外出訓練(バスの乗り降り、地域の地理把握)
  • 対人訓練(会話、あいさつ、集団活動への参加)

LIFEとの関連性(加算Ⅱ)

令和3年度からは科学的介護の推進として、LIFEへのデータ提出が義務化されました。
個別機能訓練加算Ⅱでは、このデータ提出により国が介護サービスの質を可視化・分析し、フィードバックを返す仕組みとなっています。

  • 訓練内容・ADL評価・モニタリング結果などを定期的に入力
  • フィードバックシートを活用してサービスの改善につなげる
  • 将来的に加算の要件として一層重要視される可能性も

実施体制と加算取得のためのポイント

  • 訓練指導員の安定配置
     → パートタイムではなく、できる限り常勤者での体制構築が望ましい
  • 記録の質と統一化
     → 担当者によって記録内容がバラつかないよう、様式や記載ルールを統一
  • 利用者の目標を具体的に設定
     → 例:「自宅のトイレに一人で行けるようになる」「週に1回、近所のスーパーへ行く」など
  • 多職種との連携・カンファレンスの実施
     → 介護職・看護師・相談員・家族と連携して計画策定と共有を行う

まとめ:個別機能訓練加算は「差別化」と「質の向上」の鍵

個別機能訓練加算は、ただの書類作業ではなく、利用者一人ひとりの生活を真に支える支援の形です。
適切な体制と仕組みが整っていれば、利用者満足度やADL向上にもつながり、ひいては事業所の信頼と加算取得にも直結します。

今後の報酬改定でも、LIFE活用やICF視点など「科学的で根拠ある支援」がキーワードになっていくことが予想されます。
ぜひこの機会に、自事業所の取り組みを見直してみてはいかがでしょうか。


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