介護保険外サービスとの組み合わせで収益アップを狙う方法

はじめに

介護事業所の経営環境は年々厳しさを増しています。報酬単価の見直し、制度改正、利用者ニーズの多様化に対応しながら、安定した経営を続けるためには「介護保険外サービス(自費サービス)」の導入と活用が鍵となります。本記事では、介護保険外サービスを既存の保険内サービスとどう組み合わせていけば収益向上につながるか、その具体的な方法とポイントを解説します。


1. 介護保険外サービスとは

介護保険制度ではカバーされないサービス全般を指します。たとえば以下のようなものがあります。

  • 外出支援(買い物、通院付き添い、冠婚葬祭の同行など)
  • 家事代行(掃除・洗濯・調理など)
  • 見守りサービス(定期的な訪問・オンライン安否確認)
  • 理美容、マッサージなどの訪問サービス
  • レクリエーションイベントや旅行支援
  • 夜間の訪問介助、緊急対応

2. 保険内サービスと保険外サービスの違い

項目保険内サービス保険外サービス
対象要介護認定者認定問わず利用可能
利用料1割〜3割負担全額自己負担
制限サービス内容や時間に制限あり比較的自由に提供可能
主体ケアマネを通じて計画事業所が直接契約可能

3. 組み合わせで収益アップを狙うポイント

■(1)ニーズを丁寧に拾い上げる

介護保険サービスでは対応できない「ちょっとした困りごと」にこそ、ニーズがあります。
例:「買い物に行きたい」「孫の運動会に行くのに付き添ってほしい」など。

■(2)セット提案で選びやすく

「通所介護+自費の延長利用(お風呂・夕食)」のように、利用者が選びやすい形でプラン化することで、利用率がアップします。

■(3)事前説明・同意を丁寧に

保険と保険外の区別を明確にし、トラブルを避けるためにも契約書や説明資料はしっかり整備しましょう。

■(4)人材のスキルを活かす

調理、理美容、介護福祉士などスタッフの得意分野を活かした「特技×サービス」の提供も効果的です。


4. 実例紹介:組み合わせモデル3選

モデル内容収益アップの要因
モデル①:外出支援+通院付き添い通院後に買い物・食事などをセットで提供単価が高く、継続利用が見込める
モデル②:入浴+自費リラクゼーションデイサービスの入浴後にマッサージやネイルケア差別化・利用者満足の向上
モデル③:見守り訪問+保険外サポート夜間の見守り+家族向け報告サービス高齢独居者の不安軽減+家族ニーズ対応

5. トラブルを防ぐための注意点

  • 二重請求の回避:保険対象部分と保険外の明確な線引き
  • スタッフへの教育:保険と自費の違い・対応範囲を全員が理解
  • 記録の徹底:自費サービス提供の記録も残す

6. まとめ

介護保険サービスだけでは対応しきれない部分に、介護保険外サービスを上手に組み合わせることで、利用者満足を高めつつ、事業所の収益性を向上させることができます。地域ニーズや利用者の生活スタイルに合わせて、柔軟なサービス設計を行いましょう。


当事務所では、運営指導対策や処遇改善計画書の作成、研修・委員会(法定内・法定外)等の様々なメニューを取り揃えております。
ぜひお気軽にご相談ください。

PAGE TOP