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就労継続支援B型の立ち上げ手続き|枚方市で押さえるべき実務ポイント

高齢化や多様な障がいのある方々の増加に伴い、地域社会の中で自立した生活を支える福祉サービスの重要性が年々高まっています。その中でも「就労継続支援B型」は、一般企業への就職が難しい障がい者の方々に対し、就労機会の提供と生活支援を行う重要な社会資源です。

この記事では、大阪府枚方市で「就労継続支援B型」事業を新たに始めたい法人・個人の皆さまに向けて、開業の流れや注意点、行政上の実務手続きをわかりやすく解説します。行政書士として多くの事業立ち上げ支援をしてきた経験をもとに、実際の現場で役立つ情報を網羅的にご紹介いたします。


1. 就労継続支援B型とは?

■ 雇用契約を結ばない就労支援

就労継続支援B型(以下「B型」)は、身体的または精神的な理由で企業に雇用されることが困難な方を対象とし、雇用契約を結ばずに就労機会を提供する障害福祉サービスです。一般的には、軽作業(内職、清掃、農作業など)を通じて、社会的自立や生活の安定を図る目的で運営されます。

■ 利用者層

  • 知的・精神障がいのある方
  • 高齢で就労が難しい障がい者
  • A型(雇用型)の利用が困難な方 など

工賃(作業報酬)は生産活動収入から支払われるため、事業所の運営体制や仕事の確保が、利用者支援と同じくらい重要な経営課題となります。


2. B型事業の立ち上げに必要な基準

■ 法人格の保有が必須

B型事業を開始するには、まず「法人格」を有していることが前提です。対象となる法人は以下のとおりです。

  • 株式会社・合同会社 など

事業を始める前に、事業目的に「障害福祉サービスに関する記載」が含まれていることを確認しましょう。

■ 人員配置基準

B型事業には、法律で定められた最低限の職員配置が義務づけられています。

職種配置基準内容
管理者常勤で1名、他職務との兼務可能(施設の統括責任)
サービス管理責任者1名以上(障害福祉経験と所定の研修修了者が必要)
職業指導員 or 生活支援員利用者数に応じて必要数を配置

採用の難易度が高い「サービス管理責任者」は、開業準備段階での確保が最重要課題です。

■ 施設基準

  • 活動室:十分な広さと安全性
  • 休憩室・トイレ:バリアフリー対応
  • 避難経路・消火設備:消防法に適合

特に枚方市では、消防設備の確認や建築用途の変更確認が厳格に実施される傾向があるため、物件選定の段階から注意が必要です。


3. 枚方市での開業フロー

ステップ① 事前相談(任意)

枚方市では、福祉指導課との事前相談が可能です。開設予定地の地域性や物件の適合性、人員体制などについて、事前に意見をもらうことで、後の実地指導もスムーズに進みます。

ステップ② 書類準備・提出(2ヶ月前目安)

開業希望月の2か月前を目安に指定申請書類を提出します。必要書類は以下の通りです。

  • 指定申請書
  • 定款・登記簿謄本
  • 事業計画書・収支予算書
  • 運営規程
  • 職員の資格証明書類
  • 施設の図面、写真、賃貸契約書 など

障害福祉サービス事業者様式集 | 枚方市ホームページ

ステップ③ 実地指導(現地調査)

申請書提出後、市の担当者が事業所を訪問し、現地で人員・設備・帳票類の確認を行います。書類や設備の不備があれば、改善指導が入り再調査が必要になる場合もあります。

ステップ④ 指定通知と事業開始

問題がなければ、予定日に合わせて指定通知が届き、事業を開始できます。開始後は、利用者の個別支援計画作成、報酬請求、加算届出など、実務対応が本格化します。


4. 枚方市で押さえておきたい実務ポイント

地域連携が利用者確保の鍵

枚方市は府内でも中核的な都市であり、相談支援事業所、医療機関、地域包括支援センターなどとの連携がスムーズです。一方で、他事業所との競合も多いため、開業前から「地域とのつながり」を意識した運営方針を確立することが重要です。

物件選定は必ず事前確認

内装が整った物件でも、「用途地域」「消防設備」「建築基準法の使用目的変更」によっては利用不可になることがあります。とくに古い建物では、エレベーターがない・避難経路が確保できないなどの理由でNGとなる例もあります。

加算届出は開業と同時に準備

福祉サービスの報酬を最大化するためには、体制加算(人員・研修・処遇改善)を適切に届出・運用する必要があります。加算の届出期限や記録方法についても、事前に理解しておくべきです。


5. 行政書士がサポートできること

行政書士は、福祉事業に関する以下のような支援が可能です。

  • 法人設立(定款作成・登記サポート)
  • 指定申請書類の一式作成・提出代行
  • 図面・物件調査・消防確認サポート
  • 実地指導前のチェックと対応準備
  • 開業後の加算届出や運営アドバイス

「制度を理解していない」「書類が膨大で不安」「役所とのやりとりが負担」というお悩みに、実務経験豊富な行政書士がしっかり寄り添います。


まとめ|専門家とともに、地域に根ざした事業を

就労継続支援B型は、地域の障がい者や家族にとって大きな支えとなる福祉サービスです。一方で、立ち上げには厳格な要件と実務対応が求められ、慎重な準備と計画が欠かせません。

枚方市での福祉事業立ち上げをお考えの方は、ぜひ一度、福祉行政の専門家である行政書士にご相談ください。

“利用者にとって安心できる場所をつくる”という想いを、制度と実務の両面から支援いたします。


乾行政書士事務所について|大阪・京都の福祉・介護の指定申請・運営指導対策

医療・介護・障がい福祉の開業・運営なら大阪の乾行政書士事務所

乾行政書士事務所は、大阪府・京都府を中心に、福祉・介護事業の指定申請サポート運営支援を行っている医療・介護・福祉支援に特化した事務所です。

これから就労継続支援放課後等デイサービス訪問介護通所介護などを開業予定の法人・個人様に向けて、指定取得支援を専門的に実施しています。

さらに、「運営支援」では、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、運営指導対策(書類チェック)、自治体へ提出する書類の作成、BCP作成支援等を行っています。

事業内容

  • 障がい福祉サービス事業(就労継続支援、生活介護、放課後等デイサービス 、居宅介護、相談支援事業所等)
  • 介護保険サービス事業(通所介護、訪問介護、認知症グループホーム 等)
  • 福祉・介護事業向け指定申請サポート(法人設立、書類作成、運営指導対策 等)
  • 運営支援(運営指導対策(書類チェック)、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、補助金サポート、自治体へ提出する書類の作成(例:変更届出等)、BCP作成支援)

対応エリア

  • 大阪府:箕面市・豊中市・吹田市・茨木市・高槻市・枚方市・交野市・寝屋川市・大阪市 ・四條畷市・東大阪市など
  • 京都府:京都市・長岡京市・向日市・八幡市・宇治市 ・亀岡市など
  • 全国対応可能(全国対応プランあり)

乾行政書士事務所の強み

  • 現場経験のある行政書士、社会保険労務士による実務的アドバイス
  • 障がい福祉と介護保険の両分野に対応可能
  • 法人設立から指定申請、運営フォローまで一貫対応
  • 自社運営施設による「現場視点」でのコンサルティング
  • 介護、障がい福祉の様々なサービス形態の実績あり

お問い合わせ・ご相談

指定申請のご相談、開業サポート、運営支援のご依頼など、まずはお気軽にご連絡ください。

福祉・介護事業の立ち上げから継続運営まで、全力でサポートします。


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