実地指導当日の職員対応マニュアル|よくある質問とNG対応

はじめに

実地指導は、事業所の運営状況が法令・基準に適合しているかを確認する大切な機会です。当日は行政職員が来所し、書類確認だけでなく、職員へのヒアリングや現場の観察も行います。この記事では、職員が適切に対応するための基本マニュアルと、よくある質問・NG対応例をまとめました。


1. 実地指導当日の基本対応マニュアル

(1)対応の基本姿勢

  • 誠実かつ丁寧に対応する
  • 「知らないことは正直に」、曖昧な返答は避ける
  • 答えられない場合は「後ほど確認してご回答いたします」でOK

(2)職員の服装・態度

  • 清潔感のある服装(制服またはビジネスカジュアル)
  • 敬語を使い、落ち着いて対応する
  • 指示がなくても勝手に席を外さない

(3)準備しておくもの

  • 利用者の基本情報や個別支援計画の概要
  • 実施記録やモニタリング内容の把握
  • 利用者対応マナー(訪問・送迎・ケア中の態度)

2. よくある質問と回答例

質問例回答のポイント
「この利用者の個別支援計画は、いつどのように作成しましたか?」作成年月、担当者、アセスメント内容と反映された支援内容を簡潔に説明
「モニタリングはどのように実施していますか?」実施頻度、方法、記録の保管場所を答える
「サービス提供中に気を付けていることは?」安全配慮・声掛け・体調変化の観察などを挙げる
「事故発生時の対応体制はどうなっていますか?」報告・連絡・記録・再発防止策の流れを説明
「個人情報の管理方法は?」施錠保管、アクセス制限、職員教育について言及

3. NG対応例とその改善方法

NG対応なぜ問題か改善ポイント
「そういうのは管理者に聞いてください」責任転嫁に聞こえる「詳細は管理者に確認しますが、現場ではこのように対応しています」など補足を添える
「それはやっていないと思います」確認不足を疑われる曖昧な場合は「記録を確認のうえ、回答させてください」
「よく覚えていません」信頼性の低下普段から記録に基づく確認を心がけ、回答準備をしておく
無表情・無言で対応不誠実に映る笑顔・アイコンタクト・相づちで安心感を与える
勝手な判断で不在にするヒアリング機会の損失常に上司の指示に従い、許可を得て席を外す

4. まとめ

実地指導は「罰則の場」ではなく、より良い運営のための確認と指導の場です。職員一人ひとりの適切な対応が、事業所全体の信頼につながります。事前に質問想定や対応方針を共有し、安心して臨める体制を整えておきましょう。


当事務所では、運営指導対策や処遇改善計画書の作成、研修・委員会(法定内・法定外)等の様々なメニューを取り揃えております。
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