これから訪問介護をはじめる方へ【開業予定者向け】

〜制度の仕組みから開業・運営のポイントまで〜

はじめに

高齢化社会の進行に伴い、「住み慣れた地域で暮らし続けたい」というニーズが高まっています。その中で、在宅生活を支える柱の一つが訪問介護サービスです。これから訪問介護事業に参入したい方、または介護職として現場で働きたい方に向けて、訪問介護の仕組みや必要な準備、実務のポイントをわかりやすくご紹介します。


訪問介護とは?

訪問介護は、介護保険制度に基づくサービスの一つで、ホームヘルパー(訪問介護員)が利用者の自宅を訪問して、日常生活の支援や身体介護を行うサービスです。

主なサービス内容

種類内容
身体介護入浴・排泄・食事介助、清拭、移動支援など
生活援助調理、掃除、洗濯、買い物など
通院等乗降介助通院時の車の乗り降りや移動の介助など(介護タクシー含む)

訪問介護サービスを提供するには

訪問介護事業所を開設するには、以下の手順が必要です。

1. 法人格の準備

法人格(株式会社、合同会社、NPO法人など)が必要です。個人では指定が取れません。

2. 人員基準の確保

職種人数・条件
管理者常勤1名以上(資格不要)
サービス提供責任者常勤換算1名以上(介護福祉士など)
訪問介護員必要数(初任者研修修了など)

3. 事業所の設備・体制の整備

事務所として使える場所、電話・パソコン、記録保管体制、苦情処理体制などを整備します。

4. 指定申請

都道府県または市町村に「訪問介護事業所指定申請書」を提出します。指定を受けてはじめてサービス提供が可能になります。


介護職員として働くには

訪問介護員(ホームヘルパー)として働くには、以下の資格が一般的です。

  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
  • 実務者研修
  • 介護福祉士

無資格・未経験から始められる事業所もありますが、初任者研修の取得が望まれます。


訪問介護のやりがいと注意点

やりがい

  • 利用者との信頼関係が深まりやすい
  • 1対1のケアで丁寧な対応ができる
  • 地域に根差した支援ができる

注意点

  • 緊急対応や孤立した現場での判断力が求められる
  • 移動が多く、体力が必要
  • 一人での対応が多いため、記録や報告の徹底が必要

よくある質問(Q&A)

Q:訪問介護の開業にいくらかかる?
A:目安として100万円〜300万円程度。法人設立費用、人件費、事務所整備、申請費用などが必要です。

Q:資格がなくても働ける?
A:無資格でも補助的な業務(事務等)に従事することは可能ですが、初任者研修の取得をおすすめします。

Q:訪問介護と訪問看護は何が違うの?
A:訪問介護は生活支援・身体介護中心、訪問看護は看護師が行う医療的ケアが中心です。


まとめ

訪問介護は、地域に密着しながら高齢者の在宅生活を支える大切なサービスです。制度の理解と適切な準備を行うことで、事業としての持続可能性も高まります。これからはじめる方も、実務を目指す方も、ぜひ自信を持って一歩を踏み出してください。


当事務所では、運営指導対策や処遇改善計画書の作成、研修・委員会(法定内・法定外)等の様々なメニューを取り揃えております。
ぜひお気軽にご相談ください。

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