
福祉・介護業界では近年、「人が採れない」「応募が来ない」「定着しない」という採用の悩みが増えています。
特に中小規模の事業所や地方の施設では、人材確保が経営に直結する課題となっており、ハローワークで求人を出してもまったく反応がない……という声も少なくありません。
この記事では、福祉事業所の採用難を乗り越えるための具体的な求人戦略と、ハローワークの効果的な活用方法について詳しくご紹介します。
採用が難しい背景とは?
まず、なぜこれほどまでに福祉業界は人が集まりにくくなっているのでしょうか?その背景には以下のような社会的要因があります。
- 少子高齢化による労働力不足
- 「3K(きつい・汚い・給料安い)」のイメージ
- 他業種(飲食・物流など)との人材獲得競争
- 求職者の「働き方」「職場選び」への意識の変化
つまり、ただ求人を出すだけでは人が集まらない時代になっているのです。
では、どうすれば「選ばれる職場」になれるのでしょうか?
求人戦略の見直しがカギ
1. 採用ターゲットを明確に
求人は「誰に向けて出すのか」をはっきりさせることが重要です。
- 未経験OKの若年層
- 時短で働きたい主婦層
- 定年後のシニア層
- 外国人労働者(特定技能・技能実習など)
ターゲットに合わせたアピール内容を設計し、それぞれのニーズに応える求人を作成しましょう。
2. 求人票の内容を充実させる
応募が来ない求人票には共通点があります。それは「何をしている会社か分からない」「働くメリットが伝わらない」こと。
改善ポイント:
- 一日の業務スケジュール
- 職場の写真(明るく自然なもの)
- 福利厚生、手当、休暇制度
- 働く人の声(インタビューやコメント)
「安心して働けそう」「雰囲気が良さそう」と感じてもらえる内容を意識しましょう。
3. 複数の求人媒体を活用する
ハローワークだけに依存していては、求職者に届かない可能性も。
以下のような媒体も併用しましょう。
- 【民間サイト】カイゴジョブ、ジョブメドレー、Indeed など
- 【SNS】Instagram、X(旧Twitter)などで日常の風景を発信
- 【地域密着型】地元のフリーペーパー、ポスティングチラシ
- 【学校連携】地元高校・専門学校での職場体験・実習
ハローワークを“使いこなす”方法
1. 求人票を強化する
ハローワークの求人票も自由度が上がっており、以下のような工夫が可能です。
- キャッチコピーを設定する
- 写真を添付する
- 「職場見学OK」など柔軟な姿勢を記載する
ハローワークの職員(相談員)は、求職者に求人票を“紹介”する役割があります。だからこそ、「紹介しやすい内容」にすることが大切です。
2. ハローワークの担当者に直接会いに行く
職員に「どんな人材を求めているか」「どんな職場なのか」を直接伝えることで、マッチする求職者を優先的に紹介してくれる可能性が高まります。
3. ハローワークの「求人者マイページ」を活用
ハローワークには、求人情報の管理ができる「求人者マイページ」があります。
- 求人の内容をWeb上で更新可能
- 応募数・閲覧数などの数値確認
- オンライン応募対応も可能
まだ利用していない事業所は、ぜひ導入しましょう。
採用だけでなく「定着」も考える
ようやく採用できても、すぐに辞めてしまっては意味がありません。これからの採用活動では、「採用後の育成」も重要です。
- OJTやマニュアルの整備
- メンター制度の導入
- 資格取得支援(費用補助など)
- 職員同士のコミュニケーション促進
定着率を高めることで、結果的に採用コストも削減できます。
今すぐできる採用改善5つのアクション!
- 求人票を見直して写真・魅力を追加
- ハローワーク担当者に直接説明に行く
- 自社サイト・SNSに採用情報を充実させる
- 職場見学やお試し勤務の制度を整える
- 育成体制を強化し、離職を防ぐ
まとめ:採用は「仕組み」と「発信」で変わる
人材確保が難しい時代だからこそ、事業所の魅力を正しく伝え、適切なチャネルで発信し、採用後の育成環境を整えることが求められています。
ハローワークも、ただ求人を出すだけではなく「使いこなす」ことで、大きな効果を発揮する無料の武器になります。
ぜひ、この記事をきっかけに、採用活動の仕組みを見直してみてください。
当事務所では、運営指導対策や処遇改善計画書の作成、研修・委員会(法定内・法定外)等の様々なメニューを取り揃えております。
ぜひお気軽にご相談ください。