
日常生活動作(ADL)を数値で評価する信頼性の高いツール
Barthel Index(バーセル・インデックス)は、主に高齢者や脳血管障害(脳卒中など)のある方に対して、日常生活動作(ADL)能力を評価するための国際的に広く使われている指標です。
医療・介護・リハビリの現場で、本人の自立度を把握し、ケアの方針を決める際の大切な判断材料になります。
Barthel Indexの目的と活用シーン
自立支援・介護度の判断・リハビリ評価に
Barthel Indexは、次のような目的で活用されます。
- 自立支援計画やリハビリプランの立案
- 要介護度や支援の必要性の評価
- 入退院時のADL比較
- ケアマネジャーによるケアプラン作成時の参考資料
本人や家族がどの程度日常生活を自分の力でこなせるかを数値で客観的に把握できるため、多職種連携にも役立ちます。
評価項目と点数配分
10項目からなるシンプルな構成
Barthel Indexは以下の10項目で構成され、それぞれに対して0~15点程度が配分され、合計100点満点で評価します。
項目 | 内容例 | 点数例 |
---|---|---|
食事 | 自力での食事が可能か、介助が必要か | 0~10点 |
移動(車椅子) | ベッド⇔車椅子の移乗の可否 | 0~15点 |
身体の清潔 | 顔を洗う、髪をとかす、歯磨きができるか | 0~5点 |
トイレ動作 | トイレの使用、後始末が自立してできるか | 0~10点 |
入浴 | 浴槽への出入り、洗体などができるか | 0~5点 |
歩行または車椅子移動 | 安定して歩けるか、または車椅子での移動の可否 | 0~15点 |
更衣 | 上衣・下衣の着脱が自立してできるか | 0~10点 |
排便の管理 | 排便のコントロール、失禁の有無 | 0~10点 |
排尿の管理 | 排尿のコントロール、失禁の有無 | 0~10点 |
階段の昇降 | 階段を自力で昇降できるか、介助が必要か | 0~10点 |
点数の目安と意味
数字で見る自立度のレベル
合計点数 | 意味 |
---|---|
100点 | 完全に自立している |
60~99点 | 一部介助があれば日常生活が可能 |
40~59点 | 中等度の介助が必要 |
20~39点 | ほぼ全面的な介助が必要 |
0~19点 | 完全介助が必要 |
この点数をもとに、本人のリハビリの目標設定や介護サービスの調整を行うことが可能です。
Barthel Indexのメリット
- ✅ 短時間で評価できる
- ✅ 多職種(医師、看護師、介護士、リハビリ職など)で共通理解が可能
- ✅ 経時的な変化を追いやすい(リハビリ効果の測定)
- ✅ 要介護認定や福祉サービス選定の参考になる
まとめ:Barthel Indexは「見える化」されたADL評価
Barthel Indexは、介護・医療・福祉の現場において非常に有用なADL評価ツールです。日常生活における自立度を数値で「見える化」することで、本人の状態を正確に把握し、今後の支援方針やリハビリの目標を明確にすることができます。
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