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虐待防止委員会は「設置しているだけ」では不十分です― 行政書士が現場と運営指導で感じる“本当の運用”の重要性 ―

介護・障がい福祉サービス事業所では、虐待防止委員会の設置が義務化されています。
しかし近年の運営指導では、次のような指摘が増えています。

「委員会はあるが、形だけになっていないか」
「実質的な検討や職員への浸透が見られない」

本記事では、「設置しているだけ」ではなぜ不十分なのか、そして実務として求められる運用ポイントを、介護・障がい福祉に特化した行政書士の視点で解説します。


1.なぜ「設置しているだけ」ではダメなのか

虐待防止委員会は、単なる書類上の要件ではありません。
本来の目的は、虐待を未然に防ぎ、早期に気づき、組織として対応することです。

ところが、次のような状態に心当たりはないでしょうか。

  • 年1回だけ議事録を作成している
  • 内容が毎年ほぼ同じ
  • 現場職員が委員会の存在や役割を知らない
  • 虐待事例やヒヤリハットが共有されていない

この状態では、制度趣旨を果たしていないと判断される可能性があります。


2.行政・監査が見ているポイント

実地指導で特に見られるのは、次の3点です。

① 定期的に開催されているか

  • 開催頻度(年1回では不十分とされるケースも)
  • 開催日・出席者・議題が明確か

② 具体的な検討内容があるか

  • 実際のヒヤリハット・苦情・事故との関連
  • 身体的・心理的・ネグレクト・スピーチロック等の検討

③ 職員全体へ共有・反映されているか

  • 研修への反映
  • マニュアル・支援方法の見直し
  • 新人職員への周知

「話し合った結果、何が変わったのか」が問われます。


3.「生きた委員会」にするための具体策

✔ ケース検討を必ず入れる

実際の現場で起きた(または起こり得た)事例をもとに、

  • どこが虐待につながるリスクか
  • 代替支援は何か
    を委員会で検討します。

✔ グレーゾーンを扱う

明確な虐待だけでなく、

  • 強い口調
  • 指示・命令口調
  • 行動制限につながる声かけ
    など、「判断に迷う事例」を扱うことが重要です。

✔ 研修と必ず連動させる

委員会 → 研修 → 現場実践
という循環を作ることで、形骸化を防げます。


4.「虐待防止=管理者だけの仕事」ではありません

よくある誤解が、

「委員会は管理者がやるもの」

という認識です。

本来は、

  • 管理者
  • サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者
  • 現場職員
    立場を超えて意見を出せる場であることが重要です。

現場の「違和感」こそ、虐待防止の最大のヒントになります。


5.書類整備と実務はセットで考える

虐待防止委員会では、以下の整合性も重要です。

  • 虐待防止指針
  • 委員会規程
  • 研修計画・実施記録
  • 議事録

書類は整っているが、運用が伴っていない
または
運用しているが、書類に反映されていない

どちらも指摘対象となります。


まとめ|「設置」から「機能」へ

虐待防止委員会は、
**「あるかどうか」ではなく「機能しているか」**が問われる時代です。

  • 形式的な開催から脱却する
  • 現場の声を吸い上げる
  • 研修・支援の質につなげる

これができて初めて、
利用者の尊厳を守り、事業所を守る委員会になります。


✉ 行政書士からのひとこと

介護・障がい福祉の制度は、「知らなかった」「やっているつもり」が通用しません。
虐待防止委員会の運営見直し・議題作成・研修連動など、
“運営指導に耐えられる体制づくり”をお考えの方は、専門家の視点をぜひ活用してください。

必要であれば、

  • 委員会実施+議事録作成
  • 研修資料・グループワーク
    の作成もお手伝いできます。

乾行政書士事務所について|大阪・京都・奈良・滋賀・和歌山の福祉・介護の指定申請・運営指導対策

医療・介護・障がい福祉の開業・運営なら大阪の乾行政書士事務所

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これから就労継続支援放課後等デイサービス訪問介護通所介護介護タクシーなどを開業予定の法人・個人様に向けて、指定取得支援を専門的に実施しています。

さらに、「運営支援」では、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、運営指導対策(書類チェック)、自治体へ提出する書類の作成、BCP作成支援等を行っています。

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