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個人情報保護と写真撮影のルール|利用者同意書の正しい取り方について│高槻市の介護・障がい福祉専門行政書士が解説

介護・障がい福祉サービスの現場では、利用者の写真を撮影する機会が少なくありません。
記録・モニタリング・広報・イベントなど、さまざまな場面で撮影が行われます。
しかし、個人情報保護の観点から適切なルールと手続きを踏まえていないと、思わぬトラブルや行政指導につながることもあります。

今回は、高槻市の介護・障害福祉専門行政書士が、写真撮影における個人情報保護と同意書の正しい取り方について詳しく解説します。


■ なぜ「写真撮影」にも個人情報保護が必要なのか?

写真や動画には、利用者の「顔」「名前」「生活の様子」など、個人を特定できる情報が含まれます。
そのため、個人情報保護法の対象となり、適切な取得・利用・管理が求められます。

たとえば、

  • 記録用に撮影した写真を無断でSNSに掲載した
  • 家族に見せるつもりが他の利用者にも見える状態で掲示した
  • 行事写真をパンフレットに使用したが、同意を取っていなかった

こうしたケースは、個人情報保護違反や苦情の原因となることがあります。


■ 写真撮影の目的を明確にすることが第一歩

写真撮影を行う際は、まず「何のために撮影するのか」を明確にし、
利用者または家族にその目的を伝えることが重要です。

撮影目的同意の要否具体例
サービス提供記録・モニタリング必要(原則)支援経過の記録、計画作成の参考など
行事・イベント時の記念撮影必要夏祭り・外出支援・作品展など
広報・ホームページ掲載厳重な同意が必要HP、パンフレット、SNSなどへの掲載
研修・職員教育用必要介助技術やケーススタディの共有など

※「撮影目的が異なる場合」は、目的ごとに同意を得ることが基本です。


■ 利用者同意書の正しい取り方

① 書面で同意を得る

口頭ではなく、書面(または電子署名)で明確に同意を得ることが原則です。
同意書には次の項目を盛り込みましょう。

  • 撮影の目的
  • 使用範囲(記録・掲示・HP掲載など)
  • 保管・管理方法
  • 同意の撤回方法
  • 利用者・家族の署名欄

② 本人の理解を確認する

認知症の方・知的障がいや精神障がいを持つ利用者の場合、内容理解が難しいこともあります。
そのため、わかりやすい言葉・図解・説明補助を活用して理解を確認しましょう。
場合によっては家族や後見人の同意を併せて取得します。

③ 同意の撤回に対応できる体制を整える

同意は「いつでも撤回可能」であることを明示し、撤回があった場合の対応(HP削除・掲示撤去など)を迅速に行う体制を整えておきましょう。


■ 実際の運営現場での注意点

  • スマートフォンやタブレットで撮影した写真の管理には特に注意。
    個人端末に保存せず、法人内の安全なサーバー等に保管しましょう。
  • 掲示物やパンフレットには個人名を載せないなど、特定できない工夫を。
  • SNSやブログへの掲載は、目的外利用とみなされるおそれがあるため、必ず事前同意を確認。

■ 行政書士による文書整備サポート

高槻市や茨木市、枚方市などでは、行政指導や運営指導時に「個人情報保護」「同意書管理」の確認が強化されています。
介護・障害福祉に精通した行政書士に依頼すれば、以下のようなサポートが可能です。

  • 利用者同意書・写真撮影同意書の作成
  • 個人情報保護規程・運用マニュアルの整備
  • 職員向け研修資料の作成
  • 運営指導・監査対応サポート

■ まとめ

「個人情報保護」と「利用者の尊厳」は、福祉サービス運営の根幹です。
写真撮影一つをとっても、適切な同意取得とルール整備が事業所の信頼につながります。

重要なのは、

  • 何のために撮影するのか
  • どこまで使用するのか
  • 誰が管理するのか
    を明確にし、書面で同意を得ること。

小さな配慮が、大きなトラブル防止につながります。


高槻市・茨木市・枚方市で介護・障がい福祉事業を運営されている方へ

個人情報保護や写真撮影同意書の作成・見直しをご検討の際は、
介護・障害福祉専門の行政書士にご相談ください。
現場運用と法令基準の両面から、最適な文書整備をサポートいたします。


乾行政書士事務所について|大阪・京都の福祉・介護の指定申請・運営指導対策

医療・介護・障がい福祉の開業・運営なら大阪の乾行政書士事務所

乾行政書士事務所は、大阪府・京都府を中心に、福祉・介護事業の指定申請サポート運営支援を行っている医療・介護・福祉支援に特化した事務所です。

これから就労継続支援放課後等デイサービス訪問介護通所介護などを開業予定の法人・個人様に向けて、指定取得支援を専門的に実施しています。

さらに、「運営支援」では、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、運営指導対策(書類チェック)、自治体へ提出する書類の作成、BCP作成支援等を行っています。

事業内容

  • 障がい福祉サービス事業(就労継続支援、生活介護、放課後等デイサービス 、居宅介護、相談支援事業所等)
  • 介護保険サービス事業(通所介護、訪問介護、認知症グループホーム 等)
  • 福祉・介護事業向け指定申請サポート(法人設立、書類作成、運営指導対策 等)
  • 運営支援(運営指導対策(書類チェック)、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、補助金サポート、自治体へ提出する書類の作成(例:変更届出等)、BCP作成支援)

対応エリア

  • 大阪府:箕面市・豊中市・吹田市・茨木市・高槻市・枚方市・交野市・寝屋川市・大阪市 ・四條畷市・東大阪市など
  • 京都府:京都市・長岡京市・向日市・八幡市・宇治市 ・亀岡市など
  • 全国対応可能(全国対応プランあり)

乾行政書士事務所の強み

  • 現場経験のある行政書士、社会保険労務士による実務的アドバイス
  • 障がい福祉と介護保険の両分野に対応可能
  • 法人設立から指定申請、運営フォローまで一貫対応
  • 自社運営施設による「現場視点」でのコンサルティング
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当事務所では、障がい福祉・介護事業の支援に加え、ご利用者やご家族の生活全体を支えるため、遺言・後見・死後事務などの民事業務にも対応しています。現場の実情を理解した行政書士として、福祉と法務の両面から支援いたします。

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