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新任管理者が最初の3か月でやるべきこととは?|介護・障がい福祉事業所の管理者が押さえたいポイント

介護・障がい福祉事業所で新しく管理者に就任すると、「まず何から手をつければいいのか分からない」

「前任者から引き継いだけれど、全体を把握できていない」「現場の職員とどのように関係をつくればいいのか分からない」

といった悩みを抱えることがあります。

管理者には、現場の状況を把握するだけでなく、職員の管理、利用者へのサービス、書類や記録の確認、法令への対応、事故やトラブルへの対応など、さまざまな役割があります。

そのため、就任直後からすべてを完璧にこなそうとすると、管理者自身が疲弊してしまいます。

新任管理者にとって大切なのは、最初の3か月で事業所の現状を把握し、問題を整理し、今後の組織運営の土台をつくることです。

今回は、新任管理者が最初の3か月で取り組みたいことについて解説します。

最初の1か月は「知る」ことを優先する

新任管理者になった直後は、「早く事業所を変えなければ」と思ってしまうかもしれません。

しかし、就任直後から大きな改革を進めることには注意が必要です。

まずは、現在の事業所がどのように運営されているのかを知ることが重要です。

例えば、

・どのような職員が働いているのか

・職員の役割分担はどうなっているのか

・利用者の状況はどうなっているのか

・日々どのような業務が行われているのか

・どのような問題が起きているのか

・管理者にどのような業務が集中しているのか

などを確認します。

最初の1か月は、「変える」よりも「知る」ことを優先することが大切です。

現場を自分の目で見る

管理者になったからといって、事務所で書類だけを確認していてはいけません。

実際に現場を見ることで、書類だけでは分からないことが見えてきます。

例えば、「職員同士の連携は取れているか」「利用者への声掛けはどのように行われているか」

「業務が特定の職員に偏っていないか」「忙しい時間帯にどのような問題が起きているか」などです。

現場を見るときには、最初から問題を探すというより、

「実際にどのような運営が行われているのか」を把握することを意識するとよいでしょう。

職員との関係づくりを始める

新任管理者にとって、職員との関係づくりは非常に重要です。

就任直後から、「これからはこうします」と一方的にルールを変えるのではなく、まずは職員の話を聞くことが大切です。

例えば、

「今の業務で困っていることはありますか?」

「改善したほうがいいと思うことはありますか?」

「以前から気になっていることはありますか?」

などと聞いてみます。

職員の意見を聞くことで、管理者が知らなかった問題が見えてくることがあります。

ただし「何でも変える」と約束しない

職員から話を聞くことは大切ですが、すべての要望をその場で約束する必要はありません。

「検討します」「状況を確認してから判断します」という対応でも問題ありません。

むしろ、十分に状況を確認しないまま、「すぐに変えます」

と約束してしまうと、後から変更できなくなる可能性があります。

新任管理者の最初の仕事は、職員の話を聞きながら、組織の全体像を把握することです。

書類と記録を確認する

管理者として就任したら、現場だけでなく書類や記録についても確認しておく必要があります。

例えば、

・運営規程

・重要事項説明書

・各種マニュアル

・業務日誌

・利用者の記録

・事故やヒヤリハットの記録

・苦情の記録

・研修記録

・各種委員会や会議の記録

などです。

書類が「あるかどうか」だけでなく、実際の運営と書類の内容が一致しているかを確認することも重要です。

法令・基準に沿った運営になっているか確認する

介護・障がい福祉事業所では、日々の業務だけでなく、関係する法令や基準に沿って運営する必要があります。

新任管理者になったタイミングで、「現在の事業所運営に問題がないか」という視点から確認することが重要です。

特に、

・人員配置

・運営規程

・重要事項説明

・記録

・研修

・各種委員会

・事故や苦情への対応

・虐待防止

・身体拘束等の適正化

・感染症対策

・業務継続に向けた取り組み

など、事業所に関係する項目を整理しておくとよいでしょう。

問題が見つかった場合は、すぐに誰かを責めるのではなく、

「なぜ、この状態になっているのか」「どのように改善すればよいのか」を考えることが重要です。

2か月目は「整理する」時期

1か月目に現場や書類、職員の状況を把握したら、2か月目は問題を整理していきます。

ここで重要なのは、見つかった問題をすべて一度に解決しようとしないことです。

例えば、

「すぐに対応しなければならない問題」

「早めに改善したほうがいい問題」

「今後検討すればよい問題」

というように優先順位をつけます。

「緊急性」と「重要性」を分ける

管理者になると、さまざまな問題が一気に見えてきます。

しかし、すべてに同時対応すると、管理者自身が疲れてしまいます。

例えば、

事故につながる可能性がある問題や法令上確認が必要な問題などは、優先的に対応する必要があります。

一方で、「書類の整理方法を変更したい」「会議のやり方を変えたい」

といった問題は、緊急性を考えながら順番に取り組むことができます。

問題を見つけることと、すぐにすべてを解決することは別です。

まずは優先順位をつけることが大切です。

管理者の仕事を整理する

新任管理者が特に注意したいのが、仕事の抱え込みです。

管理者になったばかりの時期は、「自分がやったほうが早い」と考えてしまうことがあります。

しかし、それを続けていると、管理者に業務が集中してしまいます。

そこで、

・管理者が行う仕事

・リーダーや主任などに任せられる仕事

・現場職員に任せられる仕事

・外部に相談できる仕事

を整理してみましょう。

管理者がすべてを抱えるのではなく、組織全体で仕事を分担することが重要です。

3か月目は「仕組みをつくる」時期

3か月目に入ったら、これまでに把握した問題をもとに、具体的な仕組みづくりを進めます。

例えば、

・情報共有の方法を整理する

・職員の役割を明確にする

・定期的な面談を行う

・業務の手順を整理する

・新人教育の流れをつくる

・管理者への報告や相談のルールを整理する

などです。

重要なのは、管理者個人の能力だけに頼らないことです。

「管理者がいないと回らない」状態をつくらない

新任管理者が頑張りすぎると、「管理者に聞かなければ何も決められない」という状態になることがあります。

これは一見すると管理者が中心となって事業所を運営できているように見えます。

しかし、長期的には管理者への負担が大きくなります。

職員が一定の範囲で自分で考え、判断できるようにすることも管理者の役割です。

そのためには、「ここまでは自分で判断してよい」「この場合は管理者へ相談する」

といった判断基準を整理することも有効です。

職員に「任せる」ことを意識する

組織を安定させるためには、職員に仕事を任せることも重要です。

もちろん、いきなり大きな仕事を任せる必要はありません。

まずは小さな仕事から任せ、「任せる」「見守る」

「必要なときにフォローする」という経験を積み重ねていきます。

職員が自分で考えて行動できるようになれば、管理者への業務集中も減っていきます。

3か月で完璧にする必要はない

新任管理者が最初の3か月で意識したいのは、すべての問題を解決することではありません。

大切なのは、「現在の事業所がどうなっているのか」「何が問題なのか」

「何から改善するべきなのか」「誰に何を任せるのか」を整理することです。

3か月ですべてを変えようとする必要はありません。

むしろ、焦って大きな改革を進めることで、職員との間に不信感が生まれてしまう可能性もあります。

新任管理者の3か月を簡単に整理すると

最初の1か月は、「知る」。

現場を見る、職員の話を聞く、利用者の状況を確認する、書類や記録を確認するなど、現在の事業所を把握します。

2か月目は、「整理する」。

見つかった問題を整理し、緊急性や重要性を考えながら優先順位をつけます。

3か月目は、「仕組みをつくる」。

情報共有、役割分担、職員教育、報告・相談など、今後の運営を安定させる仕組みを整えていきます。

この3段階を意識することで、管理者としてのスタートを切りやすくなります。

新任管理者こそ「一人で抱え込まない」

管理者になったばかりの時期は、分からないことがあって当然です。

「管理者だから全部知っていなければならない」

「自分で解決しなければならない」

と考えてしまうと、管理者自身が疲弊してしまいます。

分からないことは確認し、必要に応じて職員や法人の担当者、専門家などに相談することも大切です。

特に、法令や指定基準、運営指導などに関する問題は、自己判断だけで処理せず、必要に応じて専門家へ確認することも検討しましょう。

まとめ

新任管理者が最初の3か月でやるべきことは、いきなり事業所を大きく変えることではありません。

まずは現状を知り、問題を整理し、今後の運営を安定させる仕組みをつくることが重要です。

最初の1か月は「知る」。

2か月目は「整理する」。

3か月目は「仕組みをつくる」。

この流れを意識すると、新任管理者として取り組むべきことが見えやすくなります。

そして、管理者自身がすべての仕事を抱え込むのではなく、職員に適切に仕事を任せ、組織として対応できる体制をつくることが大切です。

良い管理者とは、自分一人ですべてを解決する人ではありません。

職員が安心して働き、利用者に安定したサービスを提供できる環境を整え、組織全体が継続的に機能する仕組みをつくる人です。

新しく管理者になったときこそ、焦って結果を求めるのではなく、最初の3か月を「事業所を知り、組織を整える期間」と考えてみてはいかがでしょうか。


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