お電話でのお問い合わせ072-691-5370

介護・障がい福祉事業所を運営していると、「最近、職員の退職が続いている」「採用しても、なかなか定着しない」
「せっかく育てた職員が辞めてしまった」といった悩みを抱えることがあります。
職員が退職する理由は、一人ひとり異なります。
給与や勤務時間、人間関係、仕事内容、家庭環境など、さまざまな事情が考えられます。
しかし、同じ事業所で退職が続いている場合には、個人の事情だけではなく、事業所の組織運営そのものに課題がないかを考えることも重要です。
今回は、職員の退職が続く事業所に共通しやすい課題について解説します。
職員が退職すると、「最近の職員は長続きしない」「責任感が足りない」「採用した人との相性が悪かった」
など、退職した職員側に原因を求めてしまうことがあります。
もちろん、退職には個人的な事情もあります。
しかし、複数の職員が続けて退職しているのであれば、「なぜ、この事業所では退職が続いているのか」という視点から考える必要があります。
一人の退職を個人の問題として終わらせてしまうと、同じ問題を繰り返してしまう可能性があります。
退職が続く事業所では、管理者が多くの業務を抱え込んでいるケースがあります。
例えば、
・シフト調整
・職員への指示
・利用者や家族への対応
・苦情対応
・書類の確認
・行政への対応
・現場業務
などを、管理者一人で対応していないでしょうか。
管理者が疲弊すると、職員への声掛けやフォローにまで手が回らなくなります。
その結果、現場の職員も「相談できない」「助けてもらえない」と感じるようになる可能性があります。
管理者自身が頑張ることも大切ですが、管理者が一人で抱え込まなくても組織が回る仕組みをつくることが重要です。
職員によって言うことが違う、対応方法が違うという状態も、職員の不満につながります。
例えば、
「Aさんからはこう言われたのに、Bさんからは違うことを言われた」
「職員によって認められることが違う」
「同じことをしても、人によって注意されたりされなかったりする」
といった状況です。
もちろん、利用者やケースによって個別の判断が必要になることはあります。
しかし、基本的なルールや判断基準まで曖昧になっていると、職員は何を基準に仕事をすればよいのか分からなくなります。
基本的なルールや役割を整理し、職員間で共通認識を持つことが大切です。
職員が困ったときに、気軽に相談できる環境があるでしょうか。
「こんなことを言ったら怒られる」
「忙しそうだから相談できない」
「相談しても聞いてもらえない」
という雰囲気があると、職員は問題を一人で抱え込んでしまいます。
小さな悩みや不満が積み重なった結果、突然退職を申し出るケースも考えられます。
管理者から定期的に声を掛けるなど、問題が大きくなる前に相談できる環境をつくることが重要です。
職員は、自分の仕事をきちんと見てもらえているかを気にしています。
毎日当たり前のように仕事をしている職員に対して、
「ありがとう」「助かっています」「いつも丁寧に対応してくれて助かります」
と伝えるだけでも、職員の受け止め方は変わります。
一方で、問題が起きたときだけ注意され、普段の努力は評価されないという状態が続けば、仕事への意欲が低下する可能性があります。
管理者が職員の日々の仕事を見て、適切に評価することも大切な組織づくりの一つです。
新人職員に対して、「分からないことがあれば聞いてください」だけで終わっていないでしょうか。
新人職員にとっては、何が分からないのかすら分からないことがあります。
そのため、
・教育担当者を決める
・業務の流れを説明する
・基本的なルールを整理する
・定期的に困っていることを確認する
・一人で抱え込ませない
といったフォローが重要です。
入職直後に十分なサポートがなければ、「この職場では続けていけない」と感じてしまう可能性があります。
介護・障がい福祉事業所では、利用者の状態や支援方法、家族からの要望、事故やヒヤリハットなど、さまざまな情報を職員間で共有する必要があります。
しかし、
「聞いていない」「自分だけ知らされていない」「前に言われたことと違う」という状態が続くと、職員間の不満につながります。
情報共有は、職員の努力だけに頼るのではなく、
・どこに記録するのか
・誰に伝えるのか
・いつまでに共有するのか
・重要な情報をどう確認するのか
といったルールを決めておくことが大切です。
管理者が現場の状況を把握できていないと、職員が抱えている問題にも気づきにくくなります。
反対に、管理者が現場業務を抱えすぎてしまうと、職員とのコミュニケーションに時間を使えなくなることもあります。
管理者には、現場の状況を理解しながら、組織全体を見渡す役割があります。
定期的に職員の話を聞く機会を設けることで、現場で起きている問題を早期に把握しやすくなります。
職員から、「この業務は大変です」「この方法は効率が悪いです」
「こうしたほうが利用者のためになると思います」
といった意見が出たとき、何度も同じ問題が放置されていないでしょうか。
すべての意見を実現できるわけではありません。
しかし、意見を聞いても何も変わらない状態が続くと、「言っても無駄」
という気持ちにつながる可能性があります。
改善できない場合であっても、その理由を説明したり、別の方法を一緒に考えたりすることが大切です。
職員が長く働くためには、「この職場で成長できる」と感じられることも重要です。
例えば、
・新しい仕事を任せてもらえる
・リーダーを目指せる
・研修を受ける機会がある
・得意分野を活かせる
など、職員が自分自身の成長をイメージできる環境があるでしょうか。
目の前の仕事だけでなく、将来どのような役割を担ってもらいたいのかを管理者が伝えることも、職員の定着につながります。
職員が退職したとき、「仕方がない」で終わっていないでしょうか。
もちろん、退職にはさまざまな事情があります。
しかし、退職が続いているのであれば、一度、組織として原因を振り返ることが必要です。
例えば、
・退職理由に共通点はないか
・特定の部署や事業所に退職が集中していないか
・入職から退職までの期間に傾向はないか
・業務量に偏りはないか
・管理者やリーダーとの関係に問題はないか
などを確認します。
退職の原因を分析することで、組織の中にある課題が見えてくることがあります。
職員が退職を考えているとき、「もう少し続けてもらえませんか」
と引き止めることだけが対策ではありません。
重要なのは、「なぜ、この職員は辞めたいと思ったのか」を考えることです。
一人の職員を引き止めることができても、組織の問題がそのまま残っていれば、別の職員が退職する可能性があります。
退職防止を考えるのであれば、個人への対応と同時に、組織そのものを見直す必要があります。
職員が長く働く事業所では、特定の管理者やベテラン職員の頑張りだけに頼らない仕組みがつくられています。
例えば、
・定期的な職員面談
・新人教育の仕組み
・情報共有のルール
・明確な役割分担
・相談体制
・業務改善の仕組み
・職員研修
などです。
「良い管理者がいるから大丈夫」という状態ではなく、誰が管理者になっても一定の組織運営ができる体制を目指すことが重要です。
職員の退職が続くと、法人には大きな負担が生じます。
採用活動だけでなく、新人教育、業務の引き継ぎ、シフト調整などにも時間と労力が必要になります。
しかし、退職が続いていることを単なる人材不足として捉えるのではなく、
「組織を見直すタイミング」と考えることもできます。
職員が辞める理由を丁寧に振り返ることで、これまで見えていなかった組織の課題が見つかるかもしれません。
職員の退職が続く事業所では、個人の事情だけではなく、組織運営に課題がないかを確認することが大切です。
特に、
・管理者が業務を抱え込みすぎている
・ルールや判断基準が曖昧になっている
・職員が相談しにくい
・職員の頑張りが評価されていない
・新人教育が十分ではない
・情報共有がうまくいっていない
・管理者と現場職員の距離が遠い
・職員からの意見が改善につながっていない
・職員が将来像を描けない
・退職理由を組織として分析していない
といった点は、一度確認してみる価値があります。
もちろん、職員が退職する理由は一人ひとり異なります。
だからこそ、「辞めた職員に問題があった」「人材が定着しない業界だから仕方がない」と決めつけるのではなく、
「自分たちの法人に改善できるところはないか」という視点を持つことが重要です。
職員が安心して働ける環境を整えることは、職員の定着だけでなく、利用者へのサービスの質、職場の雰囲気、そして法人の安定した経営にもつながります。
職員の退職が続いていると感じたときこそ、採用活動だけに目を向けるのではなく、一度、法人の組織運営そのものを見直してみてはいかがでしょうか。
私たちは、介護・障がい福祉分野に特化した行政書士として、
・組織体制の整備
・管理者支援
・職員教育・研修
・法令管理
・運営指導対策
・顧問サポート
などを通じて、事業所の安定した運営を支援しています。
「職員の退職が続いている」「管理者に業務が集中している」「職員が定着する組織をつくりたい」
そのようなお悩みがありましたら、現在の組織体制を一度見直してみることをおすすめします。
本記事をお読みいただいた事業者様向けに、運営指導対策チェックシート
(PDF・全12ページ)を無料配布しています。
【シートでわかること】
・運営指導対応度(90点満点で数値化)
・3段階レベル判定(対応OK/要改善/重大リスク)
・人員基準・運営規程・記録・報酬請求など6カテゴリの弱点把握
・令和6年度義務化項目(BCP・虐待防止責任者・身体拘束適正化等)の対応状況
介護・障がい福祉専門の行政書士が監修。所要時間約15分。
下記ページよりメールアドレスを入力するだけで、PDFをお送りいたします。

乾行政書士事務所は、大阪府・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県を中心に、福祉・介護事業の指定申請サポートや運営支援を行っている医療・介護・福祉支援に特化した事務所です。
これから就労継続支援や放課後等デイサービス、訪問介護や通所介護などを開業予定の法人・個人様に向けて、指定取得支援を専門的に実施しています。
さらに、「運営支援」では、処遇改善計画書(実績報告書)作成、研修・委員会の実施、運営指導対策(書類チェック)、自治体へ提出する書類の作成、BCP作成支援等を行っています。
指定申請のご相談、開業サポート、運営支援のご依頼など、まずはお気軽にご連絡ください。
福祉・介護事業の立ち上げから継続運営まで、全力でサポートします。
開業支援・各プランに関するお問い合わせはこちらのLINE公式から♪

【メールでのお問い合わせはこちら】
当事務所では、障がい福祉・介護事業の支援に加え、ご利用者やご家族の生活全体を支えるため、遺言・後見・死後事務などの民事業務にも対応しています。現場の実情を理解した行政書士として、福祉と法務の両面から支援いたします。
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。