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介護・障がい福祉事業所を運営していると、「指示を出さないと職員が動いてくれない」
「何度言っても、自分から考えて行動してくれない」「管理者やリーダーに仕事が集中してしまう」
といった悩みを抱えることがあります。
管理者としては、「もっと自分から動いてほしい」「いちいち指示を出さなくても分かってほしい」
と思うこともあるでしょう。
しかし、職員が指示待ちになっている原因を、単純に「職員の積極性が足りない」と考えてしまうのは注意が必要です。
実際には、職員が自分で判断して動けるような環境や仕組みが整っていないことが原因になっている場合があります。
今回は、指示待ち職員を減らすために、管理者が考えておきたいマネジメントについて解説します。
職員が指示を待っていると、「もっと自分で考えてほしい」と思ってしまいます。
しかし、職員からすると、「勝手に判断してはいけないと思っている」「どこまで自分で決めていいのか分からない」
「以前、自分で判断したら注意された」という事情があるかもしれません。
つまり、指示待ちになっている背景には、管理者側のマネジメントも関係している可能性があります。
職員に主体性を求めるのであれば、まずは「自分で考えて行動してもよい環境」をつくることが重要です。
職員が自分から動けない大きな理由の一つが、「どこまで自分で判断していいのか分からない」
ということです。
例えば、
「利用者さんから相談を受けた場合、どこまで現場職員が対応していいのか」
「家族から要望があった場合、誰に報告するのか」「急な変更があった場合、誰が判断するのか」
などです。
判断できる範囲が明確でなければ、職員は慎重になり、「管理者に聞いてから動こう」となります。
そのため、
・職員が判断してよいこと
・リーダーに確認すること
・管理者の判断が必要なこと
を整理しておくことが大切です。
職員から、「どうしたらいいですか?」と聞かれたとき、管理者がすぐに答えてしまうことがあります。
もちろん、緊急時などは迅速な判断が必要です。
しかし、すべての質問に管理者が答えを出してしまうと、職員は、「分からなければ管理者に聞けばいい」という状態になってしまいます。
そこで、
「あなたはどうしたらいいと思いますか?」
「まず、どんな方法が考えられますか?」
と問い返すことも有効です。
答えを与えるのではなく、考えるきっかけを与えることが、職員の主体性を育てます。
職員に仕事を依頼するとき、「これをやってください」だけになっていないでしょうか。
もちろん、具体的な指示が必要な場面もあります。
しかし、「なぜ、この仕事をするのか」という目的まで伝えることで、職員自身が考えやすくなります。
例えば、「この記録を書いてください」だけではなく、
「次の職員が支援内容を正確に把握できるように、記録を残してください」
と伝える方法です。
目的が分かれば、職員は単純に指示された作業をするだけでなく、
「他に必要なことはないか」
と考えられるようになります。
指示待ちを減らすためには、報告と相談の違いを職員に理解してもらうことも大切です。
例えば、「○○がありました」というのは報告です。
一方、「○○がありました。私はこう対応しようと思いますが、どうでしょうか」
というのは、考えたうえでの相談です。
職員が何か問題を発見したときに、「管理者に報告して終わり」ではなく、
「自分なりの考えを持って相談する」という習慣をつくることで、主体性を育てることができます。
いきなり大きな責任を任せる必要はありません。
まずは、
・備品管理
・レクリエーションの企画
・新人職員への業務説明
・会議の進行
・業務改善の提案
など、比較的取り組みやすい仕事から任せてみます。
そして、「任せる」「見守る」「必要なときにフォローする」という流れをつくります。
職員が自分で考えて行動し、成功した経験を積むことが大切です。
職員に主体性を求めるのであれば、失敗したときの管理者の対応も重要です。
職員が自分で考えて行動した結果、うまくいかなかった場合、
「だから勝手にやらないで」と否定してしまうと、次から職員は自分で判断しなくなります。
もちろん、重大な問題があれば適切な指導が必要です。
しかし、「なぜ、その判断をしたのか」「どこが良かったのか」「次はどうすればよいか」
を一緒に振り返ることで、失敗を成長の機会に変えることができます。
管理者が優秀であればあるほど、職員から質問されたときにすぐ答えを出してしまいがちです。
しかし、管理者がすべて判断してしまうと、「管理者がいないと何も決められない」
という組織になってしまいます。
管理者の役割は、すべての問題に答えを出すことだけではありません。
職員が自分で考え、判断し、行動できるように育てることも管理者の重要な役割です。
職員から、
「こうしたほうが効率が良いのではないでしょうか」
「この方法に変えてみませんか」
という提案が出たとき、その意見を放置していないでしょうか。
もちろん、すべての提案を採用する必要はありません。
しかし、提案しても何も変わらない状態が続くと、「言っても意味がない」と思われてしまいます。
採用できない場合でも、「今回はこの理由で見送ります」と説明することで、職員は意見を出しやすくなります。
指示待ち職員を減らしたいのであれば、管理者自身が仕事を抱え込まないことも重要です。
「自分でやったほうが早い」「任せると心配だから自分でやる」
という気持ちから、管理者が仕事を抱えてしまうことがあります。
しかし、それでは職員が成長する機会が減ってしまいます。
多少時間がかかっても、職員に任せて経験を積ませることが、長期的には組織の力になります。
目指すべきなのは、「指示を待つ職員をゼロにする」ことではありません。
介護・障がい福祉の現場では、安全面や利用者への影響を考え、管理者や責任者の判断が必要な場面もあります。
重要なのは、「自分で判断してよい場面では、自分で考えて行動できる職員を増やす」ことです。
そのためには、権限や役割を明確にし、職員が安心して判断できる環境をつくる必要があります。
職員が自分で考えて動けるようになると、管理者への質問や確認が減っていきます。
すると、「これをやっていいですか?」「次は何をすればいいですか?」
という確認に追われる時間が減り、管理者自身が本来取り組むべき業務に時間を使えるようになります。
つまり、職員の主体性を育てることは、管理者の業務負担を減らすことにもつながります。
職員が指示を待っている場合、「職員の意識が低い」と考える前に、組織の仕組みを確認してみることが大切です。
例えば、
・役割分担が明確になっているか
・判断できる範囲が明確になっているか
・業務手順が整理されているか
・職員が質問しやすい環境になっているか
・失敗を必要以上に責めていないか
・職員の提案を受け止めているか
・管理者が仕事を抱え込みすぎていないか
といった点です。
職員の主体性は、本人の性格だけで決まるものではありません。
組織の環境によっても大きく変わります。
指示待ち職員を減らすためには、「もっと自分から動いてください」と伝えるだけでは十分ではありません。
重要なのは、職員が自分で考えて行動できる環境をつくることです。
そのためには、
・判断してよい範囲を明確にする
・「あなたはどう思う?」と考える機会をつくる
・仕事の目的を伝える
・小さな仕事から任せる
・失敗を成長の機会にする
・管理者がすべての答えを出さない
・職員の提案を受け止める
・管理者自身が仕事を任せる
といったマネジメントが重要です。
「指示を出さないと職員が動かない」という状態が続いているのであれば、職員の意識だけを変えようとするのではなく、なぜ職員が自分で判断しにくい組織になっているのかを考えてみることが大切です。
職員が自分で考えて動けるようになれば、現場の対応力が高まり、管理者への業務集中も減っていきます。
そして、それは結果として、利用者へのサービスの質を高め、安定した事業所運営にもつながります。
強い事業所とは、管理者がすべてを判断して動かす事業所ではありません。
管理者がいなくても、一定の範囲で職員が考え、判断し、行動できる組織。
そのような組織をつくることが、これからの介護・障がい福祉事業所に求められるマネジメントの一つではないでしょうか。
私たちは、介護・障がい福祉分野に特化した行政書士として、
・組織体制の整備
・管理者支援
・職員教育・研修
・法令管理
・運営指導対策
・顧問サポート
などを通じて、事業所の安定した運営を支援しています。
「管理者に仕事が集中している」「職員が指示を待ってしまう」「管理者がいないと現場が回らない」
「職員が主体的に動ける組織をつくりたい」
そのようなお悩みがありましたら、現在の組織体制や管理者の役割分担を一度見直してみてはいかがでしょうか。
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