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介護・障がい福祉事業所では、職員の採用だけでなく、「いかに長く働いてもらうか」という職員の定着も重要な課題です。
せっかく採用した職員が短期間で退職してしまえば、採用や教育にかかった時間やコストだけでなく、現場の職員にも大きな負担がかかります。
では、職員が長く働き続ける事業所には、どのような特徴があるのでしょうか。
その一つが、「困ったときに相談しやすい職場であること」です。
相談しやすい職場とは、単に管理者が「いつでも相談してください」と声を掛けているだけではありません。
職員が不安や悩みを抱えたときに、安心して相談でき、相談した内容が適切に受け止められる仕組みがあることが重要です。
今回は、相談しやすい職場がなぜ離職防止につながるのかについて解説します。
職員が退職を考えるとき、ある日突然すべてが嫌になるとは限りません。
日々の小さな不満や不安が少しずつ積み重なり、「もうここでは続けられない」という気持ちにつながることがあります。
例えば、
・業務量が多い
・人間関係に悩んでいる
・利用者対応に不安がある
・管理者に相談しづらい
・自分だけ負担が大きいと感じる
・仕事のやり方が分からない
といった問題です。
こうした段階で相談できれば、問題が大きくなる前に対応できる可能性があります。
つまり、相談できる環境は、退職の原因となる問題を早期に発見する仕組みでもあります。
相談窓口を設置するだけでは、十分とはいえません。
重要なのは、職員が、「こんなことを相談しても大丈夫」「話を聞いてもらえる」
「相談したことで不利益を受けることはない」と思えることです。
例えば、職員が勇気を出して相談したにもかかわらず、
「それくらい普通です」「みんな我慢しています」「忙しいから後にして」
といった対応をされてしまえば、次から相談しなくなってしまうかもしれません。
一度、「相談しても無駄」と思われてしまうと、職員から本音が出てこなくなる可能性があります。
相談しやすい職場づくりでは、管理者の姿勢が非常に重要です。
職員から相談を受けたとき、すぐに結論を出す必要はありません。
まずは、「何があったのか」「どう感じているのか」「何に困っているのか」を聞くことが大切です。
職員が求めているのは、必ずしもすぐに問題を解決してもらうことだけではありません。
「自分の話をきちんと聞いてもらえた」
という経験そのものが、職場への安心感につながることがあります。
管理者が注意したいのは、「大きな問題だけ相談してほしい」という雰囲気をつくらないことです。
例えば、
「最近、業務が少し大変です」
「利用者さんへの対応で迷っています」
「他の職員との連携がうまくいきません」
といった小さな相談も、組織にとって重要な情報です。
こうした小さなサインを早期に把握できれば、問題が深刻になる前に対応できます。
反対に、小さな相談を放置していると、職員の不満が積み重なってしまう可能性があります。
相談しやすい職場をつくるためには、職員が自分から相談するのを待つだけでは不十分な場合があります。
そこで有効なのが、定期的な面談です。
例えば、
・入職後のフォロー面談
・定期的な個別面談
・管理者との1対1の面談
などです。
「何かあれば言ってください」だけではなく、定期的に管理者から、
「最近困っていることはありませんか?」
「仕事で気になっていることはありますか?」
「職場について改善してほしいことはありますか?」
と確認することが重要です。
相談の機会を組織として用意することで、職員が話をするきっかけをつくることができます。
相談しやすい職場をつくるうえで、もう一つ重要なのが、相談を受けた後の対応です。
職員が相談したにもかかわらず、「聞いて終わり」になってしまうと、
「結局、何も変わらない」と思われてしまいます。
すぐに改善できない問題であっても、「現在こういう方法で検討しています」
「今回はこのように対応します」「すぐには変更できませんが、○月までに見直します」
など、できる範囲で対応状況を伝えることが大切です。
相談しやすい職場をつくろうとすると、今度は管理者に相談が集中することがあります。
管理者がすべての相談を一人で抱えてしまうと、管理者自身が疲弊してしまいます。
そのため、
・相談担当者を決める
・リーダー職員を育成する
・必要に応じて複数人で対応する
・相談内容に応じた対応ルートを決める
など、組織として対応できる仕組みをつくることが重要です。
これは、管理者の負担軽減にもつながります。
相談しやすい職場には、もう一つ大きなメリットがあります。
それは、現場で起きている問題を早く把握できることです。
例えば、
・職員間の人間関係
・業務負担の偏り
・利用者対応の悩み
・事故につながりそうな状況
・業務手順の問題
・情報共有の不足
などは、現場の職員が最初に気づくことが多いものです。
職員が安心して相談できれば、管理者が問題を把握するまでの時間を短くできます。
結果として、トラブルや事故の予防、業務改善にもつながります。
相談しやすい職場づくりは、単純に職員を辞めさせないためだけの取り組みではありません。
職員が安心して意見を言える環境があれば、
・業務改善
・サービスの質の向上
・事故防止
・職員間の連携
・新人職員の育成
などにも良い影響を与えます。
つまり、相談しやすい職場をつくることは、事業所全体の運営を良くすることにもつながるのです。
管理者が、「困ったことがあったらいつでも相談してください」と伝えることは大切です。
しかし、それだけでは相談しやすい組織とはいえません。
本当に必要なのは、
・相談する相手が決まっている
・相談する方法が分かる
・定期的に話せる機会がある
・相談内容が適切に取り扱われる
・相談後の対応が確認できる
という仕組みです。
職員個人の勇気に頼るのではなく、相談が自然に行われる組織の仕組みをつくることが重要です。
相談しやすい環境をつくることは、職員だけのメリットではありません。
管理者にとっても大きな意味があります。
職員が何も言わずに退職してしまえば、管理者は「なぜ辞めたのか」を把握できないままになります。
一方、日頃から職員とコミュニケーションを取っていれば、
「最近、○○さんが困っている」
「この業務に負担が集中している」
「このルールについて現場が疑問を感じている」
といった情報を早期に把握できます。
問題が小さいうちに対応できれば、管理者自身が大きなトラブルに対応する負担も減らせます。
相談しやすい職場は、制度を一つ導入しただけで完成するものではありません。
管理者が日常的に職員の話を聞き、相談を受けたら適切に対応する。
その積み重ねによって、「この職場なら相談しても大丈夫」という安心感が生まれます。
最初はなかなか相談してくれなかった職員も、少しずつ本音を話してくれるようになるかもしれません。
組織風土を変えるには時間がかかりますが、日々の小さな積み重ねが重要です。
相談しやすい職場が離職防止につながる理由は、職員が抱える不安や不満を早い段階で把握し、問題が大きくなる前に対応できるからです。
特に重要なのは、
・管理者が職員の話をきちんと聞く
・小さな相談も大切にする
・定期的な面談の機会をつくる
・相談後の対応を放置しない
・相談を管理者一人で抱え込まない
・職員が安心して意見を言える環境をつくる
・相談の仕組みを組織として整える
といった取り組みです。
職員の退職が続いている場合、採用活動だけを強化するのではなく、「職員が相談しやすい組織になっているか」
を一度見直してみることも大切です。
職員が安心して相談できる環境は、離職防止だけでなく、職員同士の連携、サービスの質、事故やトラブルの予防、そして法人の安定した運営にもつながります。
「職員が何でも話してくれる事業所」を目指すのではなく、
「職員が困ったときに、一人で抱え込まなくてもよい事業所」をつくること。
それが、長く働き続けられる職場づくりの第一歩ではないでしょうか。
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